真冬を思わせるような冷たい風が吹く朝。
長男は、いつもどおりに何気なく「言って来ます」と学校に向かった。
9年間の義務教育。最後の卒業式。
私は来賓席。妻は保護者席。
長女も在校生の中から選ばれ在校生席で。
バラバラの席で、彼の節目を見届けに行った。
学校一丸となり「若江中学を変える」と奮闘し、
尊敬する針馬校長をはじめ、先生方やPTAからの愛情を
存分に受けて巣立って行く33期生。
誰一人ふざける生徒も無く、穏やかな空気に満ちた体育館。
保育園の頃から知っている子供や、サッカー部のチームメイト、
友人の子供が壇上に上がる度、なんとも表しがたい涙が勝手に出てくる。
幼い頃の思い出を回想しては現在の姿と照らし合わせ、
あらためて巣立ちを知り、成長した背中を眺めた。
長男は担任に恵まれていると思う。
小学校5,6年の担任により大きく変わり、
中学でも毎年素晴らしい教師の下で学んだ。
最後の担任、福山先生は熱くクラスを引っ張っていく方だった。
一年の大西先生、二年の眞鍋先生、そしてサッカー顧問の
堀先生にも心から感謝している。お世話になりました。
答辞でスクリーンに映し出される各行事での様子。
運動会。文化祭。スキー林間。修学旅行。クラブ活動。
それらどれもが戻らない時間となる「節目」の日。
しっかりと心に刻んで、次の節へ伸びて行ってほしい。
入試を終えた翌日から10時間もかけて描いたクラスメートの顔。
卒業の日に皆に渡したらしい。
その原画と、私達両親への手紙を貰った。
大事に大事にしまっておこう。
君の優しさ、強さは父の誇りです。
出会った仲間に感謝して、このまま進めばいい。
君の父でよかった。ありがとう春弥。
卒業おめでとう。