2023-02-11

かっぽん屋

 

久しぶりの読書は読みかけでやめていた重松清の短編集「かっぽん屋」。

本人のコメントにもあるように「レコードのA面B面のような」がぴったりな本。

どうしようも無くエロい少年の物語や、「おぉ」と驚くようなサイコパスな作品まで。

中でも太宰治がモチーフになった「桜桃忌の恋人'92」は、言葉も物語も美しくて好き。


仕事が暇で「仕事が無いから休む」ではなく「この日まで休む」と期日を決めた。

不思議なもので要因があって休むのではなく、決定してしまえば「仕事を休む」という事への罪悪感や情けない気持ちは薄れた。

昨年のリフォームあたりから途絶えていた読書。「やりかけてた事」をもう一度。

映画も小説も。無論音楽も今まで以上に。


この半ばヤケクソな休日が、今後に繋がる気がしてならない。

仕事だけに時間を費やしていたのだなぁとも思う。それは悪いことでは無いとも思うが。


今は再度インプット。カテゴリーにではなく、自分自身へ向けて。

リライトすべき事は判った(つもり)。人生のベテランなりの変貌を、と思う。


「不幸せも、悲しみも、苦しみも、喜びも。それはかけがいがない。」

あとがきのインタビューに大きくうなずき、本を閉じた。

そう。今この時もかけがいの無い時間なのだ。