重松清の大学時代のお話を綴ったエッセイのような小説を読み終えた。
親友、バイト先で出会った先輩、家庭教師の教え子などとのエピソード12編。
どれもが重松清らしく、優しさと懐かしさが交じる良い物語。
「4時間17分目のセカンドサーブ」が何とも言えず心に響いた。
セカンドはファーストほど思い切りよく打ち込むことは出来ないが、四十歳を超えた僕たちは、そろそろセカンドサーブに磨きをかけることを覚えたほうがいいのかもしれない。
阪神大震災の被災者である旧友から送られてきたコナーズVSマッケンローの試合のビデオテープを、会社倒産を控えた友人と二人で見る短いお話。
まだセカンドサーブがある。そうか。などと頷きながら読んだ。