重松清のコメディタッチの長編「ファミレス」を読み終えた。
「料理」をテーマに、3人の中年男性のそれぞれの家庭が描かれる。
中学校教師の陽平は、姉弟が家から出た事をきっかけに妻との二人生活に。
敏腕編集長のタケは、長らく続いた別居生活から離婚に。
バツイチ同士で再婚したオガは、元妻との間の息子を忘れられず。
家庭や取り巻く環境の中に登場する、様々な人間との交流の中で「自分」を見つめ直す。
時代背景にある東北の大震災が、大事な場面での意味を為している。
「メシを作って食べる事」が軸になる物語だが、「料理」を小難しい位置に置かない点も共感できる。
いささかふざけて書いたのか?と思う一面もあるけれど(笑)
さすが重松清と涙してしまう場面も沢山あった。
読み終えた当日から、妻に弟子入りをした。
料理を手伝って、覚えて行こうと思う。
まずはかっこいい包丁を買おう(モノから)。