小川糸が「これでダメなら諦めよう」と活動10年目の節目にして大ヒットした作品。
2008年に出版され、2011年にはイタリアの文学賞バンカレッタ賞料理部門受賞。
読み始めると止まらなくなり、電車で涙しながらあっという間に読み終えた。
恋人の失踪のショックで声を失った主人公の倫子が、故郷へ戻り食堂を始める。
母との確執、祖母との思い出、恋人への未練、そして料理の神様と命への感謝。
話のあちこちにそんなものが散りばめられ、涙し、うなずき、微笑んでしまう。
静かで温かい人たち、優しく美しい季節描写。
「食べる」という事の意識が少し改まったような気がする。
確執の深い母との最期の時間、死後に見つけた手紙。
読み終えてからしばらくボーっとなってしまった。
映画も見てみよう。