前から読んでみたかった原田マハの与那喜島を舞台にした恋愛小説。
2005年の「第一回 日本ラブストーリー大賞」受賞作品の本作。
右手に障害がある明青。幼い頃に父を亡くし、母に捨てられ、祖母に育てられる。
穏やかな海辺の村での愛犬カフーと暮らし。
突然訪れた幸福な日々。そしてその日々の終わり。
島の自然。人々。どれもが素朴で美しい。
「カフー」は島の方言で「幸福」を意味する。
愛犬がカフーで、やってきた妻志願のヒロインが「幸」なのもシンプルに素敵。
友情も愛もシンプルでいい。
好きな人たち、大事な人たちを想いながら読んだ。
じんわり沁みる物語だった。