2021-10-31

つるかめ助産院

 

主人公が失踪したパートナーを探すために、思い出の島を再訪し、様々な人との出会いにより少しづつ変わっていく。
島の美しい自然の描写は、土の匂いと潮の香りが鼻をかすめるよう。
小川糸らしく食べ物も沢山出てくる。
穏やかで優しい時間、激しい出産の様子。色んな事情を抱えて生きる人たち。
素晴らしい物語。

長女の勧めで「コウノドリ」というドラマをネットで見終えたばかりで、出産への敬意が増したところだった。
コウノドリのオープニングのとおり「出産は奇跡」だとあらためて思う。


2021-10-29

キンモクセイ

 

朝の散歩コースの公園にキンモクセイの香りがするようになった。
ほんのり甘い空気を吸い込んでリラックス。

桜の紅葉も始まり、いよいよ美しい秋が始まった。
季節ごとの花が咲くこの公園は、ゴミを不法投棄する人たちさえ無ければ自慢のスポット。

先日読み終えた「食堂かたつむり」を読み終えて、更に季節ごとの自然や食材への関心が増したような気がする。
感謝の気持ちを忘れずに生きたい。

2021-10-27

FootRock&BEERS

 ~SET LIST~

ターコイズマン

曖昧に

月の真下

someway

灰の中

・・・・・

久しぶりのライブはFootRockから。また少しずつ始めて行こうと思う。

お越しいただいた皆さん、出演者の皆さん、フットロックのブラザー達に心より感謝。

持って行ったエフェクト。リハ無でぶち込むのは無理があったと反省(笑)
そこらあたりのアドバイスも聞けたし、しばらくは「音作り」に勤しみたい。


2021-10-25

食堂かたつむり

 

小川糸が「これでダメなら諦めよう」と活動10年目の節目にして大ヒットした作品。
2008年に出版され、2011年にはイタリアの文学賞バンカレッタ賞料理部門受賞。
読み始めると止まらなくなり、電車で涙しながらあっという間に読み終えた。

恋人の失踪のショックで声を失った主人公の倫子が、故郷へ戻り食堂を始める。
母との確執、祖母との思い出、恋人への未練、そして料理の神様と命への感謝。
話のあちこちにそんなものが散りばめられ、涙し、うなずき、微笑んでしまう。
静かで温かい人たち、優しく美しい季節描写。
「食べる」という事の意識が少し改まったような気がする。

確執の深い母との最期の時間、死後に見つけた手紙。
読み終えてからしばらくボーっとなってしまった。
映画も見てみよう。


2021-10-24

バラ鑑賞会

 

須磨離宮公園へバラを見にお出かけ。
満開とはいかなかったけど、久しぶりに訪れる公園内の噴水や森の香りでリラックス。
駅からの「バラの小径」を歩くのも、ミツバチの姿にも喜びを感じる。


スヴニール・ドゥ・アンネ・フランク

アンネの日記に共鳴した作者がアンネの父に捧げたというモダンローズ。
一番目をひいた美しい色と姿。

チンチン

久々の再会。これだけは記憶にある(名前が良い)。イタリア語で「乾杯」の意味。
作者が「パオ・リーノ」さんというのも勝手にご縁を感じる。


ジャズの演奏が公園で行われ、フルートの音色に暫し足を留め耳をかたむける。
アスレチックの方から聞こえる子供の声を聞きながら、森の中を歩く。
菖蒲の池のほとりで腰を掛け、短い時間だけど昼寝をする。
噴水の水音を楽しみながら、駅からの道の途中で買ったお寿司を食べる。
好天の秋の風を感じ、ワインを飲み、感情のリセットを試みる。
ずっと行きたかった三宮の本屋へ立ち寄り、数冊の小説を選ぶ。
全て神様が準備してくれたような一日。

さぁ。「好きな自分」に戻れるように。




2021-10-22

ROOIBOS LEMON

 

ここ数日、朝夕の冷え込みが冬みたいになった。
暖かい飲み物が美味しい季節に、先日買ったルイボスティーを。

紅茶にすっかり苦手意識を持ってしまってはいるが、紅茶屋さんに行くのは変わらず好き。
ずらりと並んだ茶葉の色や名前を眺めながら、匂いを嗅がせてもらったり、たまに試飲させてもらったり。

ルイボスとレモングラスのシンプルなフレーバーティー。
さっぱりした酸味が舌に残る感じが良い。

2021-10-17

JHS Pulp'N Peel V3

アコースティック用のエフェクトボードに、どうしても欲しかったコンプレッサー。
ネットで色々調べてはみたけれど、エフェクトの特性上も試奏必須と思い久々のジャムズへ。
予感的中で第一候補のJHSを購入した。

比較したのはお店にあったT-rexのcomp-nova。
ノイズはほぼ無く、ナチュラル系のコンプだったけれど「エレキ用感」を感じJHSに軍配。
(あまり詳しくもないので憚られるが、反応がハイインピーダンスに偏るように感じた)

試奏はジャズコーラスに直結(分かりやすく、無謀)。
それでもJHSはノイズも少なく、音色変化も無く(このあたりは好みが分かれるが)上品。
真ん中のブレンドつまみのトーン(だろうと思う)によって、「かかってるな感」が変わる(ように思う)。

コードカッティングの音圧のばらつきが軽減した。
バッファの影響なのか音の艶も出る。
ギラつきも軽減してしまうけれど、安定感重視で考えれば技術不足も補ってくれるペダル。

迷ったけれど、迷って良かったなぁと思える。
アコースティックにコンプ。有りに決まっていると断言します(笑)

2021-10-09

ほうじ茶

 

先日久々にルピシアに寄ってお茶を買った。
すっかり紅茶が苦手になった(頭痛が起こる)ので、大きな袋のほうじ茶を。

「鬼の焙煎」
せんべいみたいなデザインの袋に目が行き、迷わずレジへ。
ほうじ茶にしてはまぁまぁなお値段だった。

出切る前、というタイミングで飲む「丸い味」が好き。
そんなことを妻に語っていると出切ってしまっていた。
うむ。まぁまぁストロング。

2021-10-07

長男帰阪


遅い夏休み。長男が帰って来た。
いつもどおりド平日に帰って来て、またド平日に戻って行く。

水曜日だけ予定が無いらしく、一緒に夕飯を食べるためスタジオ日急遽変更。
(たっちゃんサンキュー)
飲み過ぎて記憶が無いけれど、長女曰く「真夜中まで大声で笑ってた」らしい。
楽しい酒だったのだろうが、末娘に3時前に電話をかけているあたり反省。

今回はハサミを持って帰ってきたとのこと。
たまたま妻も長女もカットしたばかりで、それならばとありがたくカットしてもらった。

向こうでの経験。周りの人の刺激。
それらを聞きながらリビングでカット。

長男の穏やかさは変わらない。
ただ雰囲気が変わったのは見て取れる。
役に立てたかは分からないけれど、会話が進むにつれ表情に明るさが戻ったような。

君の所得は「苦労」という経費が引かれているのだよ。
努力を惜しまず精進を続けていると、要の場面で必ずその苦労=我慢が役に立つ。
貫きたまえ。
父も頑張る。

2021-10-03

10月ライブのお知らせ


 26日(火)心斎橋・FootRock&BEERS

2か月ぶりのライブはまたもやFootRockから。
少しづつ少しづつ日常に「ライブ」が加われば良い。

仕事は暇すぎて金曜日(正確には木曜夕方)から緊急休業。
寝ては起きてメールチェック。あれば返信しネットでエフェクター探し。
飽きたら寝て、起きてメールチェック。無ければ少し読書。
緊急事態宣言明けはそんな毎日。

おかげで着手を先延ばしにしていた新曲の血と皮の部分(歌詞とかメロディとか。知らんけど)が出来た。
後は手直ししながら骨とか肉とかを。
父の死のこと。父から学んだ今も沁みついてる職人道。そんなことを散りばめた。
「百光年の旅路」という壮大なタイトルの短いマイナーキーの曲(笑)
お披露目できる日まで煮詰めていこう。

以前のように「できた!」と勘違いしてライブで歌詞ガン見の演奏はしない。
成長(笑)

・・・・・

そんな曲を作っていたからだろうか。
父が亡くなってから初めて父の夢を見た。

広い平屋建ての実家に、顔を知らない叔母二人と並んで母が居る。
何を話しているのか聞こえないけれど、自分の事での相談に集まってくれたらしい。
自分に気がつくと「こっちに来て座って」と母が手招きする。
神棚のある居間に入る。
どうやら夢の中では建て替える前の実家に居るらしい。(これはたまにある)

話の内容は、取引先からの要請で「三重工場に勤務」という、馬鹿げていながらも、何となくその場では真実味を帯びた案件。
末期がんの父のかわりに2年間、コロナでガタガタになった経営を立て直し、若い職人育成に力を貸せという。

「無論断ったよね?」といぶかしげに母に尋ねると、気まずそうに「お父さんが承諾してきたらしい」と困惑しながら答え、ため息をつく。
叔母が居る前で語気を強め母に詰める。
夢の中でも母に偉そうに話すのが何とも情けない。


裏のガレージに(これは現在のガレージ)に父が居る。
肩で息をしながら材木を積みなおしている。
「俺がやるから」と慌てて父が手にしてた材木を取り上げ、残りを積んでいく。
夢の中でも(これは何の材で、何でガレージに積んでるんやろ?)と思いながら、父に問う。
「三重の件、受けたって聞いたけど。何で?」と出来るだけ静かに。
「あぁ。・・・・・ずっと前からの約束や」と、申し訳なさを隠すために、面倒くさそうに、さも当たり前のように答える。
苛立ちを堪えながらも語気が荒くなっていく。
「弱小やけど今は経営者でもあるねんで。我がの工場放っといて、よそさん手伝う義理なんかないわ」と尖った声で父に言う。
言いながら、頭に三重での暗い過去が浮かび、「俺の人生に勝手にレールをつけるな」みたいな事を長々とまくしたて、その記憶を隅に追いやる。

「・・・そうか。ならどうしよか」とその場に腰掛け、辛そうに咳き込み始めた。
「俺が断ってくるから」と背中をさすりながら「二度目なんてあり得へん話やで」と極力優しく言った。


そこで一度目覚めたのか、夢の中で夢を見てたのか、時間がとても過ぎていた。
父が死に、母は引っ越し、自分は住まいで荷造りを進めている。
(ギターは1本だけ向こうに持っていこうか。)
(ならエフェクターはどうする?やっぱりエレキとアコースティックの2本持っていこうか。)
(スタジオは2週に一度に変えてもらおう。)
(ライブはどうする?土曜だけ入れて様子見よう。)
(大阪に戻る時を考えて車で行ったほうがいいな。なら家用に車が要るな)
など独り言を呟きながら、見事に音楽の事ばかり考えている事に気づく。

ドアが開いた音がする。
出かけてた長女が帰って来たのかとリビングに向かう。
誰も玄関には居ない。ダイニングテーブルの傍に父が立っている。
死んだ父が「悪い事したな」と話しかけてくる。
それには答えず「こっち(生前の世界)に帰ってこれたん?」と興奮気味に尋ねた。
「あぁ。しばらくは行ったり来たりやけどなぁ。・・・お前と一緒やな」と父が笑う。

死後。というより父がガンになってから父の前で泣いた事は無かった。
葬儀の席でも、葬儀の後日訪れてくれた親しかった人の言葉を聞いても。
夢と判っていながら「色々教えて欲しいことがあってん」とグシャグシャに泣きながら父に縋った。初めて泣けたのだ。
何も言わず背中をさすってくれる。
反省の弁の途中で「それはお母さんに言ってやれ」と言い残し、見えなくなった。

・・・・・

目が覚め、ケータイを見る。多分1時間程眠ったらしい。
壁にギターがある。事務所らしい。
扉を開けるとサン君が寝ころびながら尻尾を振っている。

夢であっても再会出来た。少し太ったようにも思える。
夢であっても謝れた。そしてようやく「父の死」に対しての涙が出た。
清々しいような寂しいような、意味不明のような最後の教えのような夢が終わった。

外に出ると暑いくらいの快晴に、秋も交じっている。
父が好きだった。
心のどこかに押しやっていた、その事を思い出した休日。

愛犬の方へ歩くと「散歩?」と嬉しそうにクルクルと跳ねまわる。
行こうか。と自分に声をかけてノビをした。
実がついたオリーブの葉が揺れてる。