2026-11-06

きみ去りしのち

 

風待ちで読み進めていた重松清の長編小説を読了。
駐車場で号泣してる姿を見られ、恥ずかしくて岸の方で読んで号泣する姿をジョギングする方に訝しげに見られ。泣いて泣いて読み終えた。最後の一行まで素晴らしい文章。

主人公と再婚相手との間に生まれた長男を、1歳の誕生日を迎えた間もなく亡くす。
「もしあの時」の後悔に苛まれ、主人公は巡礼の旅を繰り返す。
見せてやりたかった風景を追っていく中で、様々な人と出会う。

旅の途中からは元妻との間に生まれた長女が加わる。
10年間会ってなかった娘と辿る奇妙な旅の途中で、元妻の余命を知る。

北海道の北の果てから、与那国のホスピスまでの日本縦断の旅の中、主人公と妻が徐々に長男の死を受け入れ、前に進み始める。
「いのちのこだま」という帯の言葉がしっくりくる物語。

「旅をしている」という各章での始まりから、最終章の「旅をしてきた」という始まり。
娘との「私たちの旅は、その瞬間終わった」という最後の一文。
重松ワールド炸裂の一作だった。