2020-07-28

Disclosure

先日伺ったCalo Bookshop and Cafeで偶然見つけた本。

自分が報道写真やアフリカの問題に興味を持つきっかけなった、ルワンダでのジェノサイドは、1994年に起こった100日間で80万人が大量虐殺された悲劇。
この時同時に起こった性暴力によって生まれた子供と母の悲しみを訴えた「ジェノサイドに生まれて」を取り上げ2010年に京都造形芸術大学で開催された「時代の精神展 第一回」にフレーム担当で関われた。
https://ygdwh.blogspot.com/2010/11/blog-post_21.html

写真集もその時に買ったが、何日もかけないと読み進められないくらいの衝撃と恐怖の内容。
その後、映画も見て、特別番組なども視聴しルワンダのジェノサイドについて深く知ろうとした。

本書はジョナサン・トーゴヴニクが12年経って再度ルワンダを訪れ、その後の親子の姿を収めた写真集。
当時(2007)の写真と、現在の姿を並べた親子のポートレイト。
大きく成長した子供たちの心の葛藤や、ルワンダの未来を見る情熱を綴る文章が素晴らしい。

母に肩を抱かれていた幼い少年が、母の肩を抱きよせて立つ姿。
やせっぽちの少女が、ふっくらと美しく成長し、母と背中を寄せ合う姿。
それらは当時と同じアングル、ロケーションで撮影されており、ルワンダの景色の美しさと相まって光を感じるのだ。

なかにはHIVで亡くなった母も居る。
悲しみの中で生き続けている親子も。
母の証言を綴った「ルワンダ ジェノサイドから生まれて」と、子供たちの言葉を綴った本書「Disclosure」を交互に読むと、「あれから」という言葉がじんわりと胸に広がる。


本との出会いは、こういう偶然と必然がある。