今年最後の一冊は大量に買い込んだ宮本輝の古い作品「夢見通りの人々」。
その優しい名前とは裏腹な、クセの強い住人達が集う。
一話ごとに主人公が変わり、人々の人物像が徐々にクッキリとしていく。
この手のオムニバス長編はとても好きなので、一気に読んだ。
ゲイのカメラ屋と、詩人を志す若者の間に芽生える友情の下り。
顔に白いアザのあるスナックのママが感じた潮時。
元ヤクザの肉屋が、愛した女性の為に入れ墨を消す決心をしたところなど。
魅力的で低俗で、強くて情けない人々の物語。
1986年に刊行された古い作品。
宮元輝の写真が若々しくハンサム。