春から末娘が社会人となり、夏にウイングに本気になり、秋には海主体の生き方を得て、ライブ活動休止を決断した冬。
初の女性総理が誕生し、中国との関係悪化が深刻化し、戦争という恐ろしい予感すらするようになった。
大阪万博が開催され、熊被害が沢山報道され、異常気象の被害も多かった。
様々なものを見る目。感じ方と表し方。色んな面での「向き合い方」がまた一つ変化した一年。
今年を振り返る。
【仕事】
万博開催期間は全くといって良い程オーダーが無かった。
昨年同様ではあるけれど、腐ることなく「今できる事」を模索した一年。
仕事が暇過ぎた真夏の炎天下で、諦めていた工場南側の美化に明け暮れた。
ご近所からも評判の少しは「かっこいい工場」になったと思う。
馴染みのギャラリーからのオーダーは途絶えているけれど、作家さんからは身に余る信頼を頂いている事も自覚した。
新しいギャラリー、新規の作家さんからのオーダーが目立った一年。
繋げていけるように努力せねばと思う。
秋からは「風が吹く日を休日に」するようになり、土日祝も関係なく仕事をしたり、月曜から休んだりするようになった事が大きい。
来年も可能な限り展覧会へ伺い、可能な限り作家との信頼を築きたい。
まだまだアイデアは降りてくる。老化のせいにしないで精進せねば。
【家族】
末娘が社会人になり、いよいよ子育てを終えた感が強まった。
料理に積極的に参加するようになり、夫婦のスタンスにも変化が現れた一年。
妻は昨年よりまた更に友人との付き合いで出かける機会が増えた。
昨年から始まった「元西武百貨店チーム」でシーズン毎に出かけ、年に1~2回は高校同級生との会食の機会も出来た。
姉妹旅行にも行き、姉妹会食もあり、「武田理江」に戻れる時間が増えたように思う。
仕事もパートも少し片足を抜いて、来年も健康第一に。
長男はこの冬に約6年間付き合った彼女との破局を迎えた。
色々心配しているけれど、仕事ではキチンと信頼を得ているようで安心。
後輩の面倒をよく見て、お客さんには気持ちを込めて接し、結果も伴っている様子。
「足りない」と明確に自覚した部分は本気で修正して、残りの20代を全うして欲しい。
長女は激動の一年。彼との破局。仕事も来春の辞職を決断した。
落ち込んでいても実家に顔を出してくれて、楽しい話をしてくれた愛娘。
友だちに愛され、先輩後輩から慕われ、また一歩大人の雰囲気を持つようになった。
君の強さの材料は優しさで出来ている。来年も優しさを以て変わり続けて欲しい。
末娘は冬から再び念願の一人暮らしを始めた。
仕事も楽しんでいるようで、先輩から可愛がられている様子。
相変わらず不思議な娘だけど、自分の意見をしっかり話すようになったと思う。
枝葉を増やすのも大事。しかし根っこを伸ばすのに足りないピースを沢山経験して欲しい。
サン君は相変わらずドン臭く可愛い。
7歳になり少し老化も感じられるけれど、甘えん坊加減はヒートアップしている(笑)
焼いた肉をごはんに混ぜるようになってからは、残すことなく完食するようになった。
サン君の為だけの専用電子レンジも導入。来年も健やかに。
【音楽】
ライブの本数はマイペースながら充実した一年になった。
初めましての方とも多く知り合いになり、初めましての場所にも再度呼んでもらい、そこで出せる存在感を少しは持てるようになったかと思う。
ギターのリペアや、機材のリメイクにも勤しんだ。
改造したアコースティックアンプは今や大事な練習パートナーになっている。
「ミュージシャン」に幻滅した事も多くあった。
出来てる事以上を目指さない人。お金や人気ばかりを追う人。音楽への愛が無い人。
逆に若者からは何度も刺激を貰った一年。
向上心に満ち、常に変わり続ける「木下ゆうすけ」みたいなやつらとの出会いは本当に背筋が伸びる思いがした。
目指す音楽が明確で、ひたむきに自分の音楽に向き合う姿勢。そこには愛を感じる。
アマチュアであれ所謂「人気商売」であるならば、需要のない自分はライブ活動を一旦休止することに決めたのも、音楽への愛ゆえ。
しっかり向き合い直し、自分の音楽を磨き、新しい何かを身につけたうえで人前に立ちたいと思う。
来年は新曲製作から始める。封印してた曲のピースを本当の意味で新しい曲に仕上げたい。
まだまだ情熱は冷めていないのだから。
【海】
「春から始めた」という上手な人と出会った夏が全ての始まり。
スポーツでの負けず嫌いな性格が爆発し、「そのうち出来るようになれれば」みたいなスタイルを恥じて、一年の後半は練習に明け暮れた。
夏からだけでウイングを四枚、ボードを一枚、カーボンマストを一本、フロントウイングは三枚、リアウイングは二枚と結構な購入履歴を作った(笑)
コージさんという穏やかながら熱い先輩のアドバイスがあり。
寺前さんという圧倒的指導者に恵まれ。
毎回お弁当を作って送り出してくれる妻のお陰で、今の自分が出来上がった。
まだまだ初心者に毛が生えたレベルだと自覚している。
ただ夏までは「どうやったら浮けるのか」と四苦八苦してた自分が、「どうやったらジャイブ出来るのか」と四苦八苦しているのだから、きっとそのうち「どうやったらジャンプ出来るのか」に変わっているはず。
若い頃、ウインドを辞めた理由の一つに強風への怖さがある。
セイルに投げ飛ばされ、荒れた海面をボード目指して延々泳いだあの日がきっかけだ。
「風が怖い」と思ってしまって以来、海とは決別した。
その時と同じようなオーバーブローでも、今は「びびるな」と言い聞かせられる。
「あの頃の自分を超えたい」という一心で、海が自分の中に戻ったように思う。
来年も風任せに生きて、ブランクを埋め尽くしていきたい。
52年生きていれば考えが固着している部分があった。
海で使った道具を真水で洗い流さないと、潮でビスが固着してしまうのと同様。
生きている間に自分を洗い流す機会は、きっと思考の固着を防ぐように思うのだ。
職人としての生き方。
親としての在り方。
音楽を追うものとしての姿勢。
それらを洗い流す機会が2025年だったように感じる。
「向き合い方」を変える。
それによって視線の角度も変わり、視界の広さも変わる。見えるものが変わるのだ。
近寄ったり、遠ざかったり。
立ち上がってみたり、かがんでみたり。
覗き込んでみたり、ぼんやり眺めたり。
「色々試しなさい」という寺前さんの言葉は「向き合い方」の本質なのかもしれない。
様々な部分で自分自身のリニューアルが叶った一年。
振り返ればやはり今年も良い一年だったと思う。
家族と友人たちに心より感謝。
