2021-07-18

実家

 

7月17日土曜日。生まれ育った実家から母が近くのマンションに引っ越し。
朝から風が心地よく快晴。
写真は実家のシンボルの神棚のあった和室。

父が亡くなってから転居を考えていた母。
住居部分が2階(1階は工場)で、広すぎるという理由。
ご縁あって写真スタジオの経営者が購入してくれることが決まり、新居を探していた。
それも第一候補の場所で1階に空きが出て、早々に契約出来た。

老人の一人住まいとは思えない量の家財道具を一家総出で一日かけて運んだ。
翌日ガランとした実家を眺めながら、残った作業をしながら撮影。

実家暮らしだった20歳から23歳までの自分の部屋。
三重から戻って空いてる部屋がこの和室だった(笑)
震災を経験したのもこの部屋。大量のカセットテープが頭に落ちてきたなぁ。


小学生(新築当時)から高校卒業まで使っていた部屋。
後に事務所として使っていたので最も長く居た洋室。
壁にブルーハーツの等身大くらいのポスターを貼り、バンドのフラッグを掲げ、当時の彼女と初体験をした部屋(笑)
工場2階への入り口にもなっていたので小学生~中学生くらいまでは喘息で苦しんだ。

そして久々に工場3階へ。
雨風対策で窓や扉を閉鎖しているので見栄えは最悪だけれど。
最も長く居た場所はこの塗装・仕上げ部屋。
鬱(っぽく)になり仕事が出来なくなってもこの場所に居続けた。
朝まで塗装して(騒音で)警察に通報されたこともあったなぁ。
何もかも撤去した抜け殻のような姿でも、ここに机があってここにラックがあってなどと。
最後にこの場所に感謝を告げて去った。


自分たちが「生まれ育った場所」という思い入れよりも、母親が「産み、育てた場所」としてのそれのほうが大きいのは間違いないと思う。
「ひとつでも多く新たな場所へ持っていきたい」という気持ちが荷物の多さからも伺える。
なるべく叶えてあげたかったが、随分と思い切らせたことも多いだろうな。


新たな住まいが自分たちのこれからの「実家」となる。
母が楽しい思い出を沢山刻んでいける手伝いをしよう。